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凛々しい、だけど可愛い! 駅のツバメたち/もちひよ(2年)

 今年の春、私は通学ルートを変えました。今までとは全く別の方面の、阪神尼崎駅を通るようになったのです。私はそこで小さな命に出会いました。夏の渡り鳥、ツバメです。今回の記事では、私とツバメとの出会いから、子育て、巣立ちまでの過程をご紹介いたします。

 私がツバメと出会ったのは、4月の上旬でした。大学からの帰りに、阪神尼崎駅の出口付近を歩いていると、心地よいさえずりが耳に響きました。思わず視線を上に向けると、天吊り看板の上に、ツバメがちょこんと乗っていたのです。美しい光沢のある羽を休ませる、凛々しくも可愛らしい姿に、思わず惚れ込んでしまいました。看板のすぐそばの柱の上部には、恐らく去年か、それ以前に作られたツバメの古巣があります。その古巣の上にも、ツバメがいました。その2羽を見て、これから子育てが始まる予感にわくわくしました。

 それから、しばらく経った4月の下旬、ツバメは巣の中に入ったまま、出てこなくなりました。私が巣の下を通る、朝も夕方も、巣に入ったままなのです。そこで私は察しました。きっと、ツバメは卵を温めているのでしょう。いよいよ、雛の姿を見られそうな予感に、私はさらにわくわくしました。

 待ちに待ち続けた、5月の中旬の朝、ついにその光景を目にしました。巣の中に、毛むくじゃらの灰色の小さな雛を見つけたのです。卵を懸命に温めていたツバメは、ついに親になったのです! 朝からの感動の出来事に、私は心を躍らせながら大学へ向かいました。

燕の雛

生まれたての雛(撮影:もちひよ)

 

 やっと雛が孵り、ツバメも一安心かと思いきや、今度は忙しい日々が始まります。なぜなら、お腹をすかせた雛のために、餌を探して飛び回らなくてはならないからです。そして、それを観察する私も一苦労でした。まず、阪神尼崎駅は人が多い駅なので、ヒナを撮影するのにも、人の少ない時間帯を狙う必要があります。そして、親ツバメが雛へ給餌する瞬間は特にタイミングが難しく、カメラを構えたまま上を向き続ける苦痛に耐えながら撮影しなければなりません。そして、苦労の結果とらえることのできた瞬間が下の写真です!

燕の給仕

給餌の瞬間(撮影:もちひよ)

 

 大きくなる雛たちを楽しみにしながら、通学していたある朝、巣を見上げると、すぐに異変に気付きました。巣の中が空っぽになっていたのです。きっと、雛たちは巣立ちをしたのでしょう。空っぽの巣を眺めていると、彼らと出会ってからの思い出が、次々と胸の中に溢れてきます。彼らが巣に飛来してからの抱卵、子育て、巣立ちまでの過程を、私はずっと見守ってきました。まるで自分が親になったかのようにさえ感じていました。そのせいか、とても切ない気持ちになりました。そして、小さくてもたくましい親ツバメのように、私も立派な存在になりたいと思いました。

 ここで、皆さんにビッグニュースがあります。なんと、阪神尼崎駅に再びツバメのつがいがやってきたのです! あの切ない巣立ちから半月、また新しい命が誕生しようとしています。これからも、まだまだ私のツバメを見守る日々は続きそうです。

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