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「ボツ」から学ぶアイデアの出し方/ナナ(2年)

 こんにちは。2年のナナです。皆さんは普段、コスメを購入する時、何を基準に選んでいますか? 色や形、なりたいイメージなど様々だと思います。パッケージの見た目で判断して商品を買うことを、略して「パケ買い」と言うように、デザインを基準にモノを購入することも多いのではないでしょうか?

 写真は、コスメブランド「THREE」のパッケージデザインです。百貨店に多くのブランドの商品が並ぶ中、凛とした雰囲気が感じられる「THREE」のパッケージデザインは、記憶に残っている人も多いと思います。
 何気なく手にする商品のパッケージデザインは、その商品に期待する効果や使用する人の生活シーンなど様々なことを考えたうえで作られています。モノを売るための「デザイン」、そしてそのデザインを生み出すための「アイデア」は、とても重要なのです。

 情報メディア学科の授業を受けていると「アイデア」や「デザイン」といったワードが頻出します。ですが「アイデアはどこから出てくるのだろうか?」「デザインとは?」などと疑問を抱いたことはありませんか? 授業で学習するものの、いざ実践するとなると、どこから手を付けていいかが分からなくなるものです。

 そこで、今回は本学の図書館で借りられるおすすめの本をご紹介します。
 タイトルは『佐藤オオキのボツ本』。

 佐藤オオキさんは、デザインオフィス「nendo」の代表者で、世界で活躍しており、400個以上のプロジェクトを同時に動かしています。先ほど紹介した「THREE」のパッケージデザインも手掛けられています。私はまず、本のタイトルに惹かれました。この本は、華々しい立派な成功例だけを並べるのではなく、あくまで「ボツ」を紹介しています。私は「どんなアイデアがどのようにしてボツになったのだろう?」と思わず手に取りたくなりました。

 この本では、クライアントの形態や依頼内容に合わせたアイデアの導き方、いわゆるアイデアの方程式が、図やグラフ付きで視覚的に分かりやすく紹介されています。とある大学ラグビー部のユニフォームデザインの開発過程など、試作段階の写真が掲載されており、そのデザイン性の高さと斬新なアイデアに驚かされます。冒頭で触れた「デザインとは?」という疑問を解消するにとどまらず、さらにその概念を大きく覆します。
 また「アウトソーシング」や「ブランド構築」などのマーケティングに関する専門用語も実例と照らし合わせながら吸収することができるので、パッケージデザインや広告の仕事に興味のある人にとって、この本はとても勉強になると思います。

 この本を通して私が学んだことは、まず「アイデアを『すぐに』ボツにしないこと」です。多角的な視点から複数のアイデアを出し、クオリティの高いサンプルとともにプレゼンをすると、クライアント側も具体的な使用イメージが浮かび「このままでは難しいが、ここを変えるといけるのでは?」という風に、新たな切り口で提案してくれるそうです。このように、クライアントと一緒にアイデアを「磨く」ことによって、ボツを解決策へ練り上げることができるのだそうです。
 次に「ボツを恐れないこと」です。最終的にボツになる理由は「法律で認められていない」「既存している」「費用が掛かる」などが主で、決して面白さに欠けるからではありません。クライアントがどれを選んでも後悔しないアイデアには、デザイナーの覚悟と自信があります。また、ボツになったアイデアは変幻自在であるので、いずれどこかで役立つ可能性を秘めています。すなわち、費やした時間と労力は無駄にはならないのです。したがって「ボツ」は必要な要素であるということを知りました。

 ボツも見方を変えれば、大きな可能性を秘めています。皆さんも、今後、授業やゼミ活動で様々な課題に取り組むことでしょう。
 この本の中では、逆転の発想をしたり、異なる場所での使用シーンをイメージしたりするなど、私たちにもできる方法がたくさんありました。ステークホルダー(経営における利害関係者)とメリットを軸にしたグラフの作り方は、マーケティングについて考えるうえで、非常に役立つでしょう。
 おもしろいアイデアを「難しそうだから」との理由で容易に捨てるのではなく、意見交換という手段を使って問題解決へ導きましょう。

 アイデアは多くの場合、降りてくるものではありません。おもしろいアイデアが出ない原因は、自分の度胸がないことにあるのかもしれません。たくさんの「ボツ」を出す勇気をこの本から得られるのではないでしょうか? 皆さんも学内にある図書館や書店にてぜひ探してみてください。

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