授業紹介・ゼミ活動

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丹田ゼミ

丹田ゼミ 2016年度卒業研究要旨

2017/04/20

デジタルファッションショー

 私たちはIT技術とファッションの融合を研究しているゼミナールである。その研究の一環として昨年、過去の先輩方が今まで行ったデジタルファッションショーの映像や活動を見て、先輩方はイメージを言語にし、具現化することでコミュニケーション能力を高めるトレーニングを行っているのではないかということに気づいた。
 そこで、テーマのイメージをデザインにし、作り上げた衣装を他者に披露する手段としてデジタルファッションショーを引き続き行う。その際に観客が感じたイメージが私たちのテーマのイメージと一致すれば、そこに観客からの拍手や歓声などの良い反応が生まれると考え、これを私たちの研究の結果とする。

 私たちのプロジェクトは、情操教育としてのテーマ設定、テーマと関係する音楽や景色、人や物の収集から始まり、モノの言語表現としてのマッピング作業、イメージカラーの決定、そしてデザイン画の作成とそれらのイメージ言語をデジタルクローズ・リアルクローズでファッション化するイメージ言語具現化トレーニングと続く。また、イメージ言語のファッション化はポスター制作やAR制作の広報活動とともにデザイン教育にもなっている。これらの工程を経て、舞台でのショーを行い、プロデュース力を養う。その後Blu-ray、ブックレットの制作まですべてをチーム全体で行う。
 このプロジェクト全体の流れが「教育プログラム」になるのではないかということに気づき、これに関しても検証を行う。

 デジタルファッションショーとは、IT技術と家政学を融合させたファッションショーを意味する。コンピュータ上で制作した3DCGの衣装である「デジタルクローズ」と、それをもとにして実際に製作した衣装である「リアルクローズ」とを組み合わせたものである。
 工学系の学科では、服を一から制作することは出来ない。また、家政学科ではCGを駆使した作品を作ることは出来ない。IT技術と家政学を共に学べる情報メディア学科ならではのファッションショーである。

 2015年のメインテーマは『対』、サブテーマを「対比」と「ペア」に決定し、それぞれ3年生と4年生の組み合わせで表現した。ファッションショーは武庫川女子大学 平成27年度文化祭(2015年10月17日)に開催した。
 2016年のメインテーマは『化学(chemistry)』に、サブテーマは「光」「酸化還元」「音」「ミクロマクロ」「乳化発酵」に決定した。これにショーの最後のウェディングを加えた計6チームで成り立つ。またサブテーマごとの構成として、光は“ブラッドムーン”、“オーロラ”、“青の洞窟”、“波長”、酸化還元は“酸化銅の還元”、“錆”、“熱”、“爆発”、乳化発酵は“ドレッシング”、“マヨネーズ”、“ぶどう”、“パン”、音は“炭酸”、“爆発”、“産声”、“心臓”、ミクロマクロは“DNA”、“百合”、“菌”、“雪の結晶”に設定した。ウェディングのテーマは“H₂Oの状態変化”、 “分子構造”に設定した。ファッションショーは武庫川女子大学 平成28年度文化祭(2016年10月15日)で開催し、卒業制作として、Blu-rayとブックレットを制作した。

 デジタルファッションショーを行った結果、イメージを言語にし、具体化することで受け手側である観客に拍手や歓声をもらうことができ、専門性の分野で「コミュニケーション能力トレーニング」を行っているのではないかという私たちの考えは正しいことが証明された。

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