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ご存じですか? 「ヴィオラ」という楽器/伊東マンション(1年)

 はじめまして。1年生の伊東マンションと申します。私は中学高校と部活で弦楽合奏をしており、その中でヴィオラという楽器を担当していました。記念すべき私の第1回目の記事は、そんなヴィオラについてお話していこうと思います。

 皆さんは弦楽器のヴィオラと聞いてすぐにどのような楽器か頭に思い浮かびますか? 私の経験では、誰かに中学高校時代の部活の話をすると「ヴィオラってヴァイオリンみたいに弾くもの? それとも大きくて床に置いて弾くもの?」と聞かれることがしばしばありました。(答えは前者なのですが、詳しくは後ほどお話しします。) 多くの方の間でヴィオラの認識は悲しいかな、実に曖昧です。しかし、よっぽどテレビを見ない! という方でなければ、知らず知らずのうちに何度か、いや、何度もヴィオラを目にした機会があるはずなのです。
 それは、音楽番組でアーティストの後ろで生演奏しているオーケストラ。これなら目にしているはずなのに、なぜかヴィオラと言われるとピンとこない様なのです。その原因は、ヴァイオリンと区別するのが難しいということが考えられます。

 ヴァイオリンとヴィオラの違いは大きく分けて2つ。「楽器の大きさ」と「音域」です。
 まずは「楽器の大きさ」についてですが、これがヴァイオリンとの区別がつかない決定的な理由と言えるでしょう。ヴィオラの全体の長さは、楽器によって多少違う場合もありますが、ヴァイオリンに比べてたった10cmしか違いがなく、演奏するときの構え方にいたってはヴァイオリンと変わりません。10cmの違いをテレビの画面越しで見極められるでしょうか。正直なところ私でも難しいです(笑)。
 しかし、「楽器の大きさ」とは別のポイントに注目してオーケストラを見てみると、テレビ越しでもヴィオラにお目にかかることができるかもしれません。
 それに関係してくるのが「音域」です。ヴィオラはヴァイオリンよりも低い音を出すことができます。その特徴を活かし、合奏の時はメロディの役割よりもメロディを引き立てる役割を果たすことがほとんど。実際に私が弾いていた時も、一定のリズムを刻み続ける譜面が多かったです。このことを踏まえると大きく弓を動かしているパートではなく、それらに比べて落ち着いた動きをしているパートに注目してみるとヴィオラにたどり着くことができるかもしれませんね!

 ここまで散々、ヴィオラは多くの方に知られていないことを前提にお話ししましたが、ここ最近ヴィオラの知名度はグッと上がってきているはずです。そう言ってしまうとどれだけ壮大な前置きをしたのか、ということになってしまいますが、きっと「言われなくても最近ヴィオラ見たよ」と思いながら読んでくださった方もいるはずです(笑)。
 そんな知名度アップのきっかけになったのは、主要キャスト4名が弦楽四重奏をするドラマ『カルテット』が、2017年に地上波で放送されたことが大きいのではないでしょうか。私は残念ながら当時見ておらず、周りの反応を耳にする程度だったので、いつか必ず見たい! と思い続けているため、今度の長期休暇にでも見てみようと思います。

 さらに、最近ヴィオラが話題になった出来事では、天皇即位後の今年5月末に来日していたアメリカのトランプ大統領夫妻から、天皇陛下にヴィオラが贈呈されたこともありましたね。このニュースでヴィオラのことを耳にした方もいらっしゃるでしょう。天皇陛下もヴィオラを趣味で演奏なさっていることを、皆さんはご存じだったでしょうか?

 このように、控えめな存在ではありながらも、何かと話題の楽器「ヴィオラ」。その音色は人間の声に近いとも言われています。まずはその音を聴いていただきたいというのが正直なところ。先ほども説明した通りヴィオラだけの演奏というのは珍しく、ほとんどがメロディラインの引き立て役です。しかし、控えめでありながら、人のように温かい音色に魅力を感じていただけると思います。今日は名前だけでも覚えてくださいね! と言いたいところですが、ヴィオラの演奏にも、これを機に触れていただけると嬉しいです。
 高校を卒業して、ヴィオラを演奏する機会がほとんどなくなってしまった私も、久々にヴィオラを弾こうと思います。

参考URL:
■『弦楽器の種類と違い』ヤマハ
https://jp.yamaha.com/products/contents/strings/start/type/index.html

■ドラマ『カルテット』TBSテレビ公式サイト
https://www.tbs.co.jp/quartet2017/

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