天野憲樹教授ゼミ3年⽣の矢谷和香さんが、テクノアイデアコンテスト「テクノ愛2020」(主催:テクノ愛実⾏委員会)で書類審査を通過し、健闘賞を受賞しました。
テクノアイデアコンテスト「テクノ愛」とは、⾝近な⽣活に役⽴つ技術から最先端技術まで、技術に関する幅広いアイデアを募集するコンテストです。専⾨家による書類審査の後、⾼校の部、⼤学の部で最終発表を⾏い、グランプリを決定します。
また最終発表を行わなかったアイデアのうち、書類審査で健闘したと認められた高校の部21テーマ、大学の部11テーマに健闘賞が授与されます。今大会では大学の部から全57テーマの応募があった中、矢谷さんの企画である「安心センサー給湯器システム」が健闘賞に選ばれました。
矢谷さんが考案した「安心センサー給湯器システム」は、高齢者の入浴事故を防止するためのアイデアです。湯の温度や入浴時間などをサポートすることで、入浴中の死亡事故の原因でもあるヒートショック※を防ぎます。
提案したアイデアには、人感センサーで入浴者を感知し、半身浴、全身浴などの入浴方法に合わせた適切な入浴時間を設定する機能があります。時間を過ぎて入浴していた場合、数分ごとに安否確認が行われ、入浴者の反応がなかった場合は家族のスマートフォンに通知されます。また、給湯温度をヒートショックが起こりづらいとされる41度以下に設定する機能も盛り込まれています。
これらのアイデアは、「一人暮らしをしている祖母のために、こんな機能がお風呂に欲しい」という矢谷さんの想いから考え出されました。
コンテストを通して、矢谷さんは「企画を練っている間は、ずっと祖母の事を考えていました。高齢者自身とその家族が安心して湯船につかれるようになってほしいと思っています。書類審査では、企画書1枚でシステムを理解してもらう必要があるため、ターゲットを明確にしたり、図を盛り込んだりして、人に伝わりやすい内容にすることを心がけました」と話してくれました。
※ヒートショック
急激な環境温度の変化によって、血圧が乱高下することをきっかけとして起こる健康被害の総称。失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことがある。