こんにちは! 4年生の吉です。
今回は年明け1回目となります。よろしくお願いします!
今回の内容は、前回(125号:神秘! 神様と私と鈴と/吉(4年))の鈴をテーマにした記事の最後に述べたように、水引についてお話ししたいと思います。
水引に興味を持ったのは、私がお土産として家族にもらった鈴に、きれいに装飾された水引の細工がついていたことがきっかけでした。
そもそも水引というのは、祝儀袋などの贈答品につけられている飾り紐のことです。冠婚葬祭の場で目にした方が多いのではないでしょうか。和紙をねじって紙縒り(こより)にし、解けないように水糊を引いて固めたところから、水引と呼ばれるようになったそうです。また、水引には未開封であるということを示す「封印」や、結ぶことで結界を張り、穢れがないことを示す「魔除け」、人と人を結びつけるという意味合いがあります。
水引の歴史や起源については諸説あるようですが、現在の形になったのは室町時代の後期です。もともとは、飛鳥時代に来日した隋の使者の贈答品に紅白の麻紐が結われており、それが宮中への献上品にも紅白の麻紐を結ぶという習慣として広まっていきました。そして室町時代には、麻紐の代わりとして紙縒りが使われるようになっていったのです。
また現在では主に、2種類の結び方を用途によって使い分けています。形状や紐の色が違うので、使用する際は注意が必要です。まず1つ目は「蝶結び」です。「蝶結び」は出産や進学など「何度あってもうれしいこと」に使われます。これは、蝶結びが何度も結びなおせる結び方だからです。2つ目は「結び切り」です。「結び切り」は病院見舞いなど「二度と繰り返さないでほしいこと」に使われます。これは蝶結びとは違い、堅結びになっており、一度結ぶと解けない結び方になっているからです。また、結び切りには、お祝い事の時には水引の両端を上向きに、弔事には下向きにという違いがあります。これまではなんとなく、良いことは蝶結び、悪いことは結び切りと捉えていたのですが、結婚などおめでたいことでも二人が離れないようにと結び切りが使われるのですね。
家にあった出産祝い用の蝶結びの水引
また、古代中国の陰陽説(いんようせつ)に起源があることから、向かって右側と偶数(水引の紙縒りの本数)を「陰」、左側と奇数を「陽」ととらえ、「陰」には赤・黒・金など濃い色を、「陽」には白・銀など淡い色を使うのが正しいという説もあるそうです。少し調べただけですが、水引の世界もなかなか奥が深いのですね。
さて、鈴についていた水引に出会ってから、私はまた家で水引を見つけることができました! それも、祝儀袋以外についている水引です! さてその場所とは……?
なんと、クリスマスのリース!
クリスマスのリースにつけられた水引の鶴
水引の鶴1
水引の鶴2
毎年12月になると、我が家の玄関には母が作ったクリスマスのリースが飾られます。どうやらこのリース、1月になっても付けっ放しになっていたようです(笑)。 このクリスマスリースを見ると水引の鶴が二羽いますね。本来、この水引の鶴はお正月用の鏡餅に飾りとして付いていたものでした。それを母が取り外してリースにつけたようです。母に理由を聞いてみると「正月飾りに仕立てようと思ってつけた」とのことでした。見つけた時は可笑しくて笑ってしまいましたが、なかなかかわいいです(笑)。
もともとは贈り主からの気遣いとしてつけられていた水引は、封筒を飛び出して素敵なモチーフとしても活躍することができるのですね。
ではここで、本来の水引よりもアレンジされ、モダンになった水引たちをご紹介しましょう。まずは封筒についている、おしゃれな水引です。
家にあったお年玉の袋のヘビの水引
干支のヘビが蝶結びになっています
「アルファベット水引」
(assiston:http://www.assiston.co.jp/1855)
紙で表現された水引「折水引」
(LIVING MOTIF online shop:https://shop.livingmotif.com/products/detail/14956)
このようなおしゃれな水引は見ているだけでも楽しいですね。贈る方も、贈られる方も印象に残り、嬉しい気持ちになれそうです。普段の生活で頻繁に使うことがないからこそ、使うときはこのような趣向を凝らしたものを使いたいものですね。
次は、先ほどお話ししたような祝儀袋を飛び出したモチーフとしての水引です。
「はし置き」
(自遊花人 ONLINE SHOP:http://www.jiyukajin.co.jp/SHOP/SMA0003.html)
Tシャツ「梅水引」
(T-SHIRTS TRINITY:https://www.ttrinity.jp/sp/product/1519945)
「あわじ結びのバレッタ」
(加賀水引 津田 Online shop:http://kagamizuhiki.shop-pro.jp/?pid=80109250)
Tシャツやバレッタに水引が使われているのをみていると、水引は「飾り」から「身に着けるもの」にも派生しているのだと感じます。贈る方と贈られる方の2者の間で成り立っていた水引が、自分が楽しむためのものにもなっているのですね。現代の水引を室町時代の人が見たらきっと驚くことでしょう。
水引をはじめとする日本の冠婚葬祭マナーは非日常的なものもあり、その都度に調べて、という事にめんどうくささを覚える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、今回ご紹介したように、型にとらわれすぎず少し遊び心を加えると日常に取り入れることができたり、かわいくおしゃれになったりするのですね。
卒業旅行をかねて4月までに京都に旅行に行きたいと思っているので、その時は水引を含め、日本の風習から生まれたモチーフに目を向けながら観光したいと思います。
参考文献
・水引について
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%BC%95
ギフトコンシェルジュ
http://www.ringbell.co.jp/giftconcierge/947
冠婚葬祭贈答マナー
http://zo-to.net/contents/kih/002.html