皆さんは日本で蜃気楼が見られることをご存知でしょうか? 2017年5月5日、富山県魚津市で3年ぶりにBランクの蜃気楼が観測されました。(Bランクとは、見やすさのランクの中で2番目の値です)
私もさっそく富山県魚津市を訪れ、蜃気楼を見てまいりました! 今回の記事では、富山県魚津市で見られる蜃気楼についてご紹介したいと思います。
蜃気楼のランク付け(博物館の観測記録上の目安)
(特別天然記念物 魚津埋没林博物館:https://www.city.uozu.toyama.jp/nekkolnd/shinkiro/kiroku.html)
まず、本題に入る前に蜃気楼の仕組みをご説明します。「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」のホームページによると、蜃気楼は「空気中で光が屈折するために5~20km離れた景色が実際とは違う形に見える自然現象」であり、春型のものと冬型のものが存在します。春型の蜃気楼は実際の風景の上側に虚像が出現し、冬型の蜃気楼は実際の風景の下側に虚像が出現するようです。また春の蜃気楼は4~5月にかけて、月に10~15回程度しか出現せず、また毎年ほぼ確実に出現する場所も富山県魚津市のほか滋賀県大津市に限られています。
参考:特別天然記念物 魚津埋没林博物館「蜃気楼」https://www.city.uozu.toyama.jp/contents/kanko/sinkirou.html
(2017年5月23日アクセス)
さて、いよいよ本題に入ります。私が富山県魚津市を訪れたのは今年の5月19日でした。5月5日にBランクの蜃気楼が観測されたということで、大きな期待を胸に、魚津港周辺エリアである「みなとオアシス魚津」の蜃気楼展望地点に向かいました。
蜃気楼展望地点には、蜃気楼が好きな方たちが沢山集まっており、大変にぎわっていました。蜃気楼についての知識が少ない私には、ぱっと見た時にどれが蜃気楼なのかがわからず、蜃気楼が好きな方たちの一人にお話を伺いました。すると、蜃気楼について詳しく教えてくださり、蜃気楼を見つけることができました!
その方によると蜃気楼展望地点から見える蜃気楼は、黒部方面(海岸から見て北北東)と富山方面(海岸から見て西から南西)、さらに新湊大橋が見どころだそうです。その方に教えてもらった通り黒部方面を見ると、平常時は50cm程度である対岸の堀が何倍にも伸びあがって見えました。そして、対岸の先端がワニの口のようになっていました。この現象は「ワニ口」と呼ばれているようです。
黒部方面のワニ口
次に、富山方面を見ると、平常時はでこぼこしているはずの、塔の左側が平行になっていました。今回は時間の関係により、残念ながら富山方面の平常時の様子は撮影できませんでした。
富山方面
最後に、新湊大橋を見ると、平常時はなめらかなウェーブを描いた橋が、盛り上がって横倒しの梯子のようになっていました。また、長方形に伸びているように見える船を見つけました。
横倒しの梯子のような新湊大橋
長方形に伸びているように見える船
以上が、私が目にした蜃気楼です。これらの景色は20倍の望遠機能が付いたデジタルカメラで撮影しましたが、肉眼でも十分に確認できるレベルでした。あとから、「特別天然記念物 魚津埋没林博物館」のホームページで確認したのですが、19日の蜃気楼はBランクだったようです! まさか、3年ぶりのBランクを実際に目にすることができるとは思っていなかったので、とても嬉しかったです。
実は、私は以前にも「みなとオアシス魚津」で蜃気楼を目にしたことがあります。しかし、その時の蜃気楼は肉眼で確認できるレベルではありませんでした。ですから、なおのことBランクの蜃気楼の素晴らしさを実感できました。
富山県魚津市内では、Bランク以上の蜃気楼が発生すると、花火が打ち上げられるようで、さっそく花火が打ち上げられていました。また、スピーカーからは蜃気楼発生のお知らせが流れていました。この放送を聞いて、町の方面からは続々と車がやって来ていました。やはり、蜃気楼はとても人気があるようです。
蜃気楼発生を知らせる花火
私は蜃気楼を見た記念に、海の駅「蜃気楼」で、富山県の海洋深層水を使用した蜃気楼ソフトクリームを食べました。さわやかな塩バニラ味で、蜃気楼を見た感動と相まって、とてもおいしかったです。
蜃気楼ソフトクリーム
皆さんも機会があれば、ぜひ富山県魚津市を訪れてみてください。運が良ければ蜃気楼が見られるかもしれません! また、蜃気楼を見に行く際は、双眼鏡とデジタルカメラを持参しましょう!