夏季集中講義として、昨年に引き続き「コンピュータグラフィックス演習」(中川佳子講師担当)が9月3日(月)、5日(水)~6日(木)、9月10日(月)~9月13日(木)の7日間にかけて開講されました。
この授業は、前期開講科目の「コンピュータグラフィックス入門」で得た3DCGの基礎知識を応用し、より高度な3DCG制作ソフトウェアの知識と技術を身に着けた上で、自ら新しいコンテンツを制作することを目的として開講されました。また、コンテンツ制作に関わる知識や技術の習得の過程で、制作そのものだけでなく、プロジェクト管理の手法を身に着けることも目的としています。
学生たちは各自で企画書を作成し、中川講師よりアドバイスを受けながら、それぞれの制作に取り組みました。3DCGモデル(3次元の立体形状データ)を制作するため、映画製作でも利用されているソフトウェア「MAYA」を使いました。制作した3DCGモデルは、映像作品やAR(拡張現実)技術を用いたアプリケーションに使用しました。AR(拡張現実)技術とはカメラなどの媒体を通して、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する技術です。
学生たちは「3次元の立体物」をコンピュータで制作するという高度な作業や、制作した3DCGモデルを企画したコンテンツで使用する媒体に組み込ませるという作業に悪戦苦闘していました。
講義の最終日には、各自が制作した作品のプレゼンテーションを行い、それぞれの作品を鑑賞しました。プレゼンテーションでは、自分たちの企画を、どのような目的とコンセプトで制作したのかを、他の学生たちに発表しました。中には、実際に使用するメッセージカードにARを組み込み、どのように表現されるのかを実演した学生もいました。
前期に開講された「コンピュータグラフィックス入門」では、約3カ月の期間をかけて3DCGの映像作品を制作しましたが、この講義では7日間という短期間にも関わらず、日を追うごとに学生たちの制作技術は向上し、素晴らしい作品を制作できるまでに成長しました。それに伴い、今後のIT技術に欠かせない、3次元空間(リアル×バーチャル)の活用法について考察し、理解を深めることが出来ました。
以下に授業風景や発表の様子、学生たちの制作した作品の写真を掲載していますので、どうぞご覧ください。
映像作品
ARアプリケーション作品
<AR(拡張現実)とは?>
現実空間にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術。現実の情報(マーカーとして設定)とデジタル情報を一体化して表示できる。観光地のランドマークをマーカーとして情報提供や、医療分野での活用など、今後も発展が期待される。