情報メディア学科では、「情報英語研修」と「海外の生活情報研究」の2つの海外研修を隔年開講しています。これまでにイタリアのファッション情報、北欧の最新デザイン情報、スイス・フランスの観光マーケティング、アメリカやイギリスでの英語研修など、情報メディア学科独自のプログラムを実施してきました。
2018年度は、「海外の生活情報研究」の実施年で、8月28日(火)~9月6日(木)の10日間、1~3年生までの40名が北欧(フィンランド、スウェーデン)とエストニアでの研修に行ってきました。
今回の研修の目的は、エストニアのインターネットを活用したICTの先進事例、フィンランド、スウェーデンではキャッシュレス経済とデザインを学び、その他、訪問先の文化や生活を体感することが目的でした。
研修では世界最先端の「電子国家」と呼ばれるエストニアの首都タリンを訪れ、在エストニア日本大使館のご協力により国内情勢やエストニアと日本との関わりの講義を受けました。またエストニア電子政府の研修施設である「e-エストニアショールーム」に訪問し、インターネット導入とその経緯などについて学びました。
研修中盤にはタリンからフェリーに乗ってフィンランドの首都ヘルシンキへ移動。ヘルシンキでは独創的なプリントと色づかいによって世界的に広く知られるファッションブランド「Marimekko(マリメッコ)」のファクトリーショップに訪問し、その夜にはマリメッコに勤める唯一の外国人である日本人デザイナーと夕食を共にしながら講義を受けました。
その他、食器などのテーブルウェアを専門とする「iittala(イッタラ)」と「ARABIA(アラビア)」の歴史が学べる「イッタラ&アラビアデザインセンター」とヘルシンキ郊外のアトリエが集まるフィルカルス村を見学し、北欧ならではのアートやデザインに触れました。
そして研修の最後はスウェーデンの首都ストックホルムへ。スウェーデン王立工科大学でキャッシュレス経済の専門家による講義を受け、今後の日本でのキャッシュレス化について考える機会を持ちました。またスウェーデンを代表する食器ブランドである「GUSTAVSBERG(グスタフスベリ)」の陶製工場にて、陶器製作の様子や世界的に人気のあるリサ・ラーソンの陶器工房を見学しました。
その他にも、エストニアでは旧市街の観光やタリン大学を訪問、フィンランドではヘルシンキ大聖堂やウスペンスキ―寺院、テンペリアウキオ教会などの歴史ある建築物の見学、ヘルシンキマーケットで買い物を楽しんだり、ヘルシンキ現代美術館キアズマではモダンアートに触れたりしました。ストックホルムでは中世の街並みを残す風情のある旧市街ガムラスタンの散策やノーベル賞の発表を行うノーベル博物館の見学など、情報メディア学科ならではの独自のプログラムを体験しました。
そして9月6日(木)、台風21号の影響で関西空港が閉鎖になるという想定外の事態が起こりましたが、成田空港経由で全員無事に帰国しました。普段の生活や教室では学ぶことができない多くの刺激や体験を通して、新たな視点を持つことやデザインやアートに関する感性が磨かれたことでしょう。参加した学生たちにとって、この10日間は忘れることのできない貴重な経験となったのではないでしょうか。