こんにちは。1年生のとーやです。皆さんはアルフォンス・ミュシャという画家を知っていますか?
ミュシャは1860年、現在のチェコ共和国で生まれ、パリで絵を学んだ後、当時人気だった舞台女優サラ・ベルナールのポスターを制作し、人気イラストレーター・グラフィックデザイナーになった人物です。また後半生では、チェコ及びスラヴ民族の伝承・神話と歴史を描いた《スラヴ叙事詩》を作り上げたことでも有名です。この《スラヴ叙事詩》は2017年3月から6月にかけて、東京の国立新美術館で展示されていたこともあります。ミュシャの作品はしなやかな曲線と美しい色彩が特徴で、現在でも大変人気があります。
私は元々ミュシャの作品には興味があり、いつか観に行きたいと思っていたのですが、堺市でも鑑賞できるところがあると知り、堺市文化館 堺アルフォンス・ミュシャ館で6月30日まで行われている「ミュシャの想い スラヴ叙事詩への道のり」という企画展に行ってきました。
ちなみに堺市は、株式会社ドイの創業者である故土居君雄氏が収集した、約500点にのぼるアルフォンス・ミュシャの作品を所蔵していて、2000年より堺市文化館で展示しています。ここではミュシャの祖国では観ることができない、貴重な作品と出会うことができます。
今回私が観に行った「ミュシャの想い スラヴ叙事詩への道のり」では、ミュシャのパリ万博以降の作品の変化をたどり、チェコに対する想いを実現した、彼の画業後半期の作品を中心に展示されています。グラフィック作品だけではなく、大型油彩や彫刻、習作など、ミュシャの肉筆の作品も観ることができました。
現代でもミュシャ風と題した作品が多くあるなど、ミュシャの死後80年経った今でも、彼の作品は日本人に親しまれています。そのため、見覚えのある作品もあり、あまり身構えることなく楽しむことができました。私はミュシャが画業の後半に《スラヴ叙事詩》のような絵画を描いたのは知っていましたが、彫刻も作っていたことは初めて知りました。この展覧会で、ミュシャが様々な芸術活動を行っていた様子を肌で感じることができました。またミュージアムショップでは、しおりやポストカード、ミュシャに関する書籍も販売しており、作品を観終わってからもミュシャの世界観に浸ることができました。
堺アルフォンス・ミュシャ館では、期間を区切って展示内容を変えていて、過去にはミュシャの描いた本の挿絵やサラ・ベルナールのポスターの企画展を行っていたこともあるので、次の展示替えも楽しみです。ここは私にとって何度も行きたい、お気に入りの美術館になりました。
今回の企画展は6月30日で終わってしまうのですが、常設展でもミュシャの作品を観ることができるので、興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてください!
参考:
・堺市文化館 堺アルフォンス・ミュシャ館公式HP https://mucha.sakai-bunshin.com/
・ミュシャ美術館公式HP https://www.mucha.cz/en/exibition
・海野弘 (2016) 『アルフォンス・ミュシャの世界 2つのおとぎの国への旅』 パイインターナショナル