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女子も必見!? 河森正治さんのデザインワークス展/吉(3年)

 みなさん初めまして。今回が初投稿になります、3年の吉です。大学生活も残り少なくなってしまいましたが、そんな中で感じたことをメルマガを通してみなさんにお知らせしていきたいと思います。これからよろしくお願い致します!

 さて、今回は兵庫県宝塚市の宝塚市立手塚治虫記念館で開催されていた「THE変形 河森正治 デザインワークス展 『マクロス』〜『サイバーフォーミュラ』〜『アクエリオン』〜∞」に、9月20日に行ってきました。阪急宝塚駅からソリオ宝塚専門店側に降りて、宝塚歌劇場のそばを通り、徒歩約5分のところにあります。

 この展示では、アニメーション監督かつメカデザイナーの河森正治さんが手がけた数々のメカデザインの原画や、そのデザインを再現した大きなフィギュアなどが展示されていました。

『超時空要塞マクロス』に登場する「VF-1Jガウォークバルキリー」のフィギュア
『超時空要塞マクロス』に登場する「VF-1Jガウォークバルキリー」のフィギュア

 

 一般的に「SFロボット系」アニメと聞くと男性向けというイメージがあり、敬遠してしまう女性も多いのではないでしょうか。私も、初めはその1人でした。
 私が高校生の時、『マクロスF(フロンティア)』というアニメ作品が、たまたま再放送していたのを観たことが「SFロボット系」アニメとの出会いでした。それまで「SFロボット系」アニメはなかなか見ようという一歩が踏み出せなかったのですが、『マクロスF』のオープニング映像に出てくる「VF-25メサイア ファイター(戦闘機)」を観て思わず「かっこいい!」と思ってしまいました。「VF-25」というのは、作中に登場する戦闘機です。「VF-25」は一般的な戦闘機の形から、戦闘機に手足がはえたような形、人型の3形態に変形します。

 私にとって「SFロボット系」アニメを観るきっかけとなったのは「VF-25」でしたが、観ていく中で感じたもう一つの魅力は、劇中の曲でした。『マクロスF』では、2人のヒロインが歌うシーンが多くあります。そのため、ヒロインであるキャラクターたちの歌がCD化され販売もされています。それらの歌に合わせて繰り広げられる戦闘シーンは特に魅力的で、アニメの世界に引き込まれてしまいます。メカニックや戦うということに対してはあまり興味が持てない女性でも、曲を糸口にこのようなジャンルのアニメを観てみようと思って欲しいです。また、ストーリーもぜひ注目してほしいポイントです。これは、特に『機動戦士ガンダム』シリーズにいえることかもしれません。「SFロボット系」アニメでは、近未来的な描写が多いため、現代の私たちとのギャップを感じる場面もあると思います。しかし、政治や人の思考など現代に通ずるところがあったり、近い将来私たちも同じ問題に直面するのではないだろうかと考えさせられたりする部分があり、つい真剣に悩ませられます。例えば、人種が違うことで生まれた誤解によって互いが憎しみ合い、なかなか戦争が終わらなかったり、戦争に対して中立な立場を貫いていた国が、他国同士の戦争に巻き込まれてしまったりということも描かれているのです。ただアニメの世界で起こっていることではなく、もしもこの国が日本だったら? もしも私が人種差別を受けたら? もしも戦争によって家族を失ったら? 登場人物たちを自分や未来の世界に当てはめて考えられるのも「SFロボット系」アニメの面白いところです。

 私が初めて見た「VF-25」のように、河森さんがデザインしたメカの特徴は「変形する」というところです。変形を考慮したデザインを考えるようになったきっかけは、幼少期に遊んだブロックキットだそうです。たくさんのブロックを買ってもらえなかったことが、パーツの組み合わせを変えることでメカを変形させて遊ぶという発想のきっかけとなったのです。

 展示されていたたくさんのデザイン画には、変形の形態が細かく描かれていました。原画と共に河森さんのコメントを読んでみると、見た目としてのデザインだけでなく、人型ロボットとして立った時にバランスを保てるように試行錯誤されているということや、展示されていたメカが登場するそれぞれのアニメの世界で可能な技術を駆使してそのメカが作られているのだということが書かれていました。ただ見ていてかっこいいデザインを考えるのではなく、現実的に、変形によって各パーツがどのような働きをし、次にどのようなものに変形するのかを魅せる河森さんのデザインは、私たち視聴者をより一層楽しませてくれます。
 展示では、デザイン画の他にも河森さんがメカデザインを手がけたアニメ数作品のオープニング映像の一部が上映されているブースもありました。河森さんがデザインしたメカがそれぞれのアニメの世界で実際に変形するシーンは他にはない「リアルさ」があり、迫力満点でした。そんな映像に1時間ほど足を止めて楽しんでいたのですが、そんな人たちの中には私のような年齢の女性は居ませんでした。今はそれが少し寂しいような気がします。冒頭で述べたように、つい敬遠してしまうという女性にこそ、このようなジャンルのアニメを観て欲しいと思います。そして、それを観てキャラクターだけでなく一歩踏み込み、世界観やメカニックなどにも目を向けて楽しんでもらえたらと思います。

河森さんのサインと『劇場版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』に登場するVF-1Sストライクバルキリーの原画
河森さんのサインと『劇場版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』に登場する「VF-1Sストライクバルキリー」の原画

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