大森いさみ教授ゼミの2年生4名が「第22回キャンパスベンチャーグランプリ大阪」に参加し、奨励賞を受賞しました。
このコンテストは、関西の学生から新商品・新事業のアイデア・ビジネスプランを募集し、課題発見・解決型人材を育成することを目的としており、学生起業家の登竜門として知られています。
2年生の松田奈夕さん、小島みなみさん、塩田柚佳さん、野田千陽さんは、昨年9月に大森ゼミに配属となり、最初の課題として本コンテストに取り組みました。感染症対策のため全員で集まることが難しい中、無料通話アプリなどを使用して、離れた場所から協力し合い企画を進めました。
4人のチームは1次審査を通過した20組のうちの1組となり、11月25日にセミファイナルでプレゼンを行った結果、ファイナリストの10組に選ばれました。
そして令和2年12月7日にオンライン上で開かれた最終審査会で発表を行い、奨励賞を受賞しました。
4人が提案したアイデアは「RAINBOWお買い物システム」。性別の壁のないショッピングをコンセプトに、ビーコンと専用のアプリを利用して、心の性別に合った接客を受けられるサービスです。
買い物客はアプリに「性別、買い物に来た目的、接客の際に知っておいて欲しいこと」などの項目を登録します。RAINBOWお買い物システムを導入した店舗に入店すると、ビーコンを通して店員に情報が伝わり、自分に合った接客を受けやすくなります。また店舗側にとっても、入店後に買い物をしなかった顧客のニーズを把握することができるため、店舗設備や商品の改善に繋げられるというメリットがあります。
4人がこの企画を思いついたのは、SNSで「化粧品売り場で自分に合った接客を受けることができて嬉しかった」というLGBT※の当事者の声を目にしたことからでした。
企画を練るためにより詳しい意見を収集しようと、SNSを活用してLGBTサークルに連絡を取り、約40名の方にアンケート調査を行いました。アンケート結果では、「システムが欲しい」と答えた人が9割、「LGBTであることを店員に知られても不快に思わない」と回答した方が7割にのぼり、当事者の方が真に必要としていることが目に見える形となり、企画を進める後押しにもなりました。また、提案を考える上で、デリケートな事柄を扱っているという意識を大切にしました。
さらに、多くの人にアプリを活用してもらえるよう、体型やアレルギーなどの情報を発信できる機能も設けています。
4人は最終審査会を振り返り、「最終選考に出られたことに驚きました。当日のプレゼンでは、遠隔での発表特有の緊張がありましたが、良い経験となりました。他大学のチームの熱量も知ることができたので、結果に満足せずに今後も努力したい」と話してくれました。
※LGBT
性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表す言葉の一つとして使われる、性的指向及び性自認の頭文字を組み合わせた言葉。
L:女性の同性愛者(Lesbian:レズビアン)
G:男性の同性愛者(Gay:ゲイ)
B:両性愛者(Bisexual:バイセクシャル)
T:こころの性とからだの性との不一致(Transgender:トランスジェンダー)