こんにちは。2年のとーやです。皆さんは、普段小説を、その中でも特に歴史に名を残した文学作品を読むことはありますか?
私は本を読もうという気持ちに波があり、何かしらのきっかけがないとページをめくることがあまりできません。今回は、私が文学作品を読もうと思うきっかけになったゲーム、『文豪とアルケミスト』と、どのようにして近代文学を読んだかについて紹介したいと思います。
『文豪とアルケミスト』略して文アルでは、主に明治から昭和にかけて活躍した、日本と海外出身の文豪たちが登場します。文豪たちは人間の負の感情から生まれる『侵喰者』から文豪自身を、果ては文学を守るために戦います。ゲームの中では、有名な作品や文豪だけでなく、あまり知られていない作品や文豪についても触れられます。
文アルは日頃の積み重ねが重要なゲームシステムなので、イベントなども自分のペースで進めることができ、時間がなくても楽しめます。文豪の人間関係も細かく紹介されるため、文豪同士や作品の繋がりを知ることができるのも、文アルを遊んでいて楽しいところだと思います。また、ゲームを遊んでいると、気になる作品や文豪が見つかるので、「文学に触れたいが、どの作品から読み始めればいいのかわからない」という悩みも解消できます。
私の場合は、キャラクターの中でも太宰治と芥川龍之介が好きになったので、その二人の作品から触れていくことにしました。まずは、著作権が切れた作品をインターネット上で公開している「青空文庫」で、いくつかの作品を読んでみました。しかし私は元々本を紙で読む方が好きだったこともあったので、気軽に読みたい時や出かけている時に電子書籍を利用しようと思いました。
次に書店で、太宰治と芥川龍之介の文庫本を何冊か買いました。この二人の作品は短編小説が多いので、一冊で複数の作品を読むことができます。
実際に読んでみると、太宰治の小説は、一人称視点で語られることが多く、登場人物の心情や見ているものの描写が想像しやすいと感じました。登場人物の感情がどの作品も、まるで実際に生きていた人が語っているように描かれています。
芥川龍之介の小説では、歴史や昔話を題材にしたものと、人間の様々な苦悩に焦点を置いたものが多いように見受けられました。歴史や昔話を題材にした作品からは、童話にも通じるような雰囲気が感じられ、物語の中に教訓があるのも印象的でした。人間の苦悩を描いた小説は、どれも人生を考えさせられ、人間の存在意義について問いかけられているように思いました。
文アルをきっかけに近代文学を読み、その当時の文化を知ったり、どのような思想があったのかを学んだりすることで、自分の考えや知識の幅を広げられたように感じます。今後は小説の他に、詩や短歌にも触れてみたいと思います。また、近場からになると思いますが、文学館にも行ってみたいです。
もしこのエッセーを読んで文アルのゲームをやろう、教科書に載っていたあの人の作品を読んでみようと思ってもらえたら嬉しいです。
参考文献:
■ DMM GAMES『文豪とアルケミスト』公式サイト https://bungo.dmmgames.com
■太宰治(1950)『斜陽』新潮社、244pp
■ 芥川龍之介(1968)『河童・或阿呆の一生』新潮社、279pp
■ 青空文庫 https://www.aozora.gr.jp/