授業紹介・ゼミ活動
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天野ゼミ
天野ゼミ 2023年度卒業研究要旨
2023年度卒業研究要旨リンク集
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インタリーブ方式の錯聴に関する発展的な拡張の実験と考察
本研究では,インターリーブ方式にもとづく錯聴の発展的な拡張について模索した.錯聴とは,聴覚に関する錯覚のことであり,インターリーブ方式にもとづく錯聴とは,複数の楽曲を掛け合わせてできる錯聴のことである.過去に提案されたインターリーブ方式にもとづく錯聴は非常にシンプルなものであり,発展的な拡張の余地があった.本研究では,掛け合わせる楽曲の数,調.ジャンルなどを変えるといった拡張実験を行い,その結果を考察した.
プロジェクションマッピングの実用的な利活用に関する提案
本研究では,プロジェクションマッピング(PM)の実用的な利活用について検討し,エンターテインメント以外における PM の利用可能性を模索した.具体的には,家屋やテナントの一角に映像を投影することで部屋の模様替えやテナントの商品陳列などを PM によりシミュレートすることができると考えられる.本研究では,日本式家屋の床や一般的なテナントの棚に対応した PM のテンプレート集を作成して実験を行い,その結果について考察した.
生成 AI を用いた 80 年代風 J-POP の制作に関する実験と考察
本研究では,生成 AI を用いて 80 年代風 J-POP の楽曲制作を試みた.生成 AI の利用自体は容易であるが,意図した通りの創作を実現することは難しい.本研究では,音楽に特化した生成 AI システムMagenta を用いて,音楽サービス Spotify から抽出した音楽情報をもとに 80 年代風 J-POP の創作を目指した.具体的には,80 年代の J-POP に特徴的なテンポ・キー・コード進行などの音楽情報をプロンプト(指示)として Magenta に与えることで 80 年代風の J-POP が制作できることを確認した.
舞台照明のユニークな利活用に関する提案
本研究では,複数台の舞台照明による照明パターンのプログラムライブラリを設計・実装した.具体的には,公演会場等の天井に映し出す英文字・数字・星座などの照明パターンをシミュレートするProcessing のプログラムをライブラリとして実装した.さらに,このプログラムにおける各照明の位置座標を舞台照明における光の照射角度に変換するプログラムも実装した.本研究により用途と使用時間が限られる舞台照明のユニークな有効活用が可能となる.
不可能立体の可聴化とその可逆的表現の探究
本研究では,可聴化による不可能立体の音楽表現とその可逆的表現である可視化を試み,錯覚による新たなアート表現やエンタメコンテンツを模索した.具体的には,錯聴効果により不可能立体を音として表現し,不可能立体にはペンローズの多角形,錯聴効果には無限音階を用いた.実験では Blender 等を用いて不可能立体を作成し,Logic Pro により可聴化を行った.その可逆的な表現である可視化ではProcessing を用いて MIDI 情報を解析し,不可能立体の展開図を再構成した.
物語の再構成に特化したプロンプトエンジニアリングの実験と考察
本研究では,文学の領域に焦点を当て,物語の再構成という視点から生成 AI の可能性について模索した.生成 AI の利用は容易であるが,意図した通りの結果を得るためには,生成 AI に対する適切なプロンプト(指示)が必要であり,その工学的なアプローチが求められている.本研究では,OpenAIPlayground を用いて既存の物語の一部を改変し,さらに前後の文脈に不自然な展開のない文章を生成する多段的なプロンプトエンジニアリングの適用実験を試みた.
利用者の状況に応じたモチベーションアップを図るスケジュールアプリの提案
本研究では,スケジュールアプリにおいて利用者のモチベーションアップを目的とし,利用者の状況を考慮した通知の実現を目指した.具体的には,利用者の置かれた状況(時刻・場所・行動)をスマホや GPS などから推測し,それぞれの状況に適した通知(テキストメッセージや掛け声などの音声)を発することで,利用者のモチベーションアップを図る.開発環境には Xcode を利用し,SwiftUI によるGUI アプリケーションとしてプロトタイプを iPhone 上に実装した.
「推し活」のためのデザインテンプレートの提案と試作
本研究では,「推し活」の記録をきれいな思い出として残すことを目的に,「推し活」に関係するさまざまな情報を要素として埋め込むデザインテンプレート集を Photoshop で実装した.「推し活」とは,自分の好きなアイドル・俳優・キャラクタなどを応援したり愛でたりすることであるが,その内容はさまざまで,回収される整理券など記録として残しにくい情報もある.本研究によりそうした情報を電子化し,きれいな形で記録することが可能になる.
ファッションを表現する CSS ライブラリの設計と実装
本研究では,ファッションを表現する CSS のライブラリを作成した.ファッション関係の Web サイトでは必然的に画像データが多くなり,サイトの表示に時間がかかる.SVG 画像などもあるが,画像の色を修正するなどの作業には手間がかかる.以上から,CSS だけを用いてファッションを表現することにも意義がある.本研究では,T シャツや下着など 10 種類のファッションを各 10 パターン制作し,色のパターンと合わせて 500 以上の CSS ファッションを作成した.
アイソメトリックのイラスト制作を支援するオブジェクトライブラリの実装
本研究では,アイソメトリックのイラスト制作を支援するオブジェクトライブラリを作成した.アイソメトリックとは,物体の長さ,幅,高さを等角投影で平面上に描くことにより立体感を表現する手法である.本研究では,Blender を用いて家具・建物など 200 点を独自のモデリングによりアイソメトリック用のオブジェクト集として作成し,アイソメトリックの効率的なイラスト制作を可能にした.また,これを使用し,アイソメトリックのイラスト制作を試みた.
キャラクタに動きのあるノベルゲームの提案と試作
本研究では,ノベルゲームに登場する静止画のキャラクタに動きを付けることで,文章主体のノベルゲームに対する違和感と苦手意識の払拭を目指した.ノベルゲームはゲーム画面に表示される文章を読み進め,選択肢を選ぶことで進行するゲームである.ノベルゲームでもゲーム画面に背景やキャラクタの絵が表示されたりするが,基本的にシンプルな静止画である.本研究では,Live2D によりキャラクタに動きを付け,その効果について考察した.
アニメキャラ風のコスプレメイクを支援する AR システムの実装
本研究では,アニメキャラ風のコスプレに焦点を当て,そのメイクを支援する AR システムを実装した.アニメキャラのコスプレでは,ファッションだけでなく,そのキャラクターに近づけるメイクが重要となる.たとえば,アニメキャラには,目や眉毛などの形・色に特徴のある者が少なくない.こうした点を踏まえ,本研究では,アニメキャラに特化した特徴的なメイクのパターンを内蔵し,それを容易に試せる AR システムを設計・実装した.
舞台に関する基礎知識を得るためのメタバース・コンテンツの提案と試作
本研究では,舞台に関する基礎知識を得るためのコンテンツについて検討し,メタバース上で試作した.具体的には,点・消灯の操作が可能な舞台照明に加え,舞台の構成等に関する解説を表示可能とする仮想的な劇場をメタバース上に実装した.これにより,複数人が舞台に関する基礎知識をメタバース上で同時に獲得でき,さらに,HMD を装着することで仮想空間の劇場に入り,高い臨場感を持って舞台に関する基礎知識を獲得できるようにした.