授業紹介・ゼミ活動
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大森ゼミ
大森ゼミ 2025年度卒業研究要旨
2025年度卒業研究要旨リンク集
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「笑いの中の女性:漫才における女性芸人の言語表現とジェンダー表象」
近年、ジェンダー平等や多様性への社会的関心が高まり、メディアにおいても性別による役割固定や差別的表現の見直しが求められている。こうした変化は娯楽としての「笑い」にも影響を及ぼしており、漫才におけるジェンダー表現や関係性のあり方が問い直されている。本研究では、現代のお笑いにおける女性芸人の言語表現とジェンダー表象を明らかにすることを目的とする。分析対象として、日本最大級の漫才コンテストである『M-1グランプリ』に出場した女性コンビおよび男女コンビ系16組の漫才を取り上げ、漫才のテーマ設定、言語使用、会話の主導権、容姿いじり、東西の言語差、外見的特徴といった観点から検討を行い、漫才という会話芸の中で女性芸人がどのようなジェンダー表象を構築しているのかを多角的に考察する。
「連続テレビ小説『あんぱん』の舞台 高知県におけるコンテンツツーリズム効果」
本研究は、2025年度前期放送の連続テレビ小説『あんぱん』を事例として、高知県香美市におけるコンテンツツーリズムの効果とその持続性を明らかにすることを目的とした。高知県観光政策課や香美市観光協会、地域住民へのヒアリング調査、参与観察、観光客数などの定量データ分析を通じて、ドラマ放送前・中・後の変化を検証した。その結果、『あんぱん』は観光客増加などの経済的効果に加え、観光ガイドや住民主体の活動を通じて地域意識の向上をもたらしていたことが確認された。これらのことから、住民の能動的関与と観光協会の戦略的対応が観光効果の減衰を緩和し、持続的な地域振興につながる重要な要因であることが明らかになった。単なるメディア露出に依存するのではなく、地域住民による積極的な関与が観光効果の持続に不可欠であることが本事例から考察された。
「新型コロナウイルスによる男性化粧の変遷:男性ファッション雑誌の表象分析」
近年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の生活様式や価値観は大きく変化した。外出自粛や在宅勤務、オンライン会議の普及といった社会的背景のもと、対面でのコミュニケーションが制限される一方で、画面越しに映る自己の外見を意識する機会が増加した。また、衛生意識の高まりや清潔感の重視といった価値観の変容も見られ、身だしなみの一環としての化粧が男性の間にも徐々に浸透していった。分析対象として、男性ファッション雑誌「MEN‘S NON-NO」「MEN’S CLUB」「Safari」の2018~2023年までの1月号・4月号・7月号・10月号を取り上げ、世代別・年代別・季節別の比較を行った。研究方法としては、化粧品広告の掲載割合・広告の類型・化粧品の種類・写真および文字表現に着目した。社会的背景の変化の中で男性化粧がどのように表象されてきたのかを考察する。
「小学校教科書におけるジェンダー表現の比較分析:国語・道徳の横断的研究」
本研究は、ジェンダー平等が重視される現代社会において、学校教育に大きな影響を与える教科書のジェンダー表現の実態を明らかにすることを目的とした。2015年に「特別の教科道徳」として教科化され、他教科との連携が求められるようになった背景を踏まえ、物語教材を多く含む国語との比較を行った。分析対象は2024年改訂版小学校5.6年生国語教科書と道徳教科書であり、登場人物、著作者、挿絵、職業、家庭内役割について数量的、質的分析を実施した。結果、道徳では男女比の均等化が進む一方で、職業や家庭内役割では従来の性別役割分業が残存していた。国語では男性中心の構成が続くものの、女性の多様な役割が一部見られた。両教科に共通して、視覚表現や役割描写を通じてジェンダー規範が再生産されていることが考察された。
「地方防災会議における女性参画と防災施策への影響:兵庫県内複数自治体を対象に」
近年、災害と女性をめぐる課題への関心が高まっている。先行研究では、避難所生活において女性のストレス強度が有意に高いことや、災害対応の現場では男性が意思決定のポジションに就くことが多く、女性特有の課題が十分に反映されにくい現状が指摘されている。第5次男女共同参画基本計画では、2025年までに地方防災会議における女性委員の割合を30%以上とする成果目標が掲げられているが、全国的には達成できていない。メディアにおける問題提起が進む一方で、取り組みは十分に進展していないのが現状である。本研究では、兵庫県内のたつの市、西宮市、尼崎市、丹波篠山市の4市を対象に、防災会議における女性委員比率の実態を明らかにするとともに、それが避難所運営や防災施策に与える影響について考察する。
「メディアにおけるジェンダー表象の変遷:吉本新喜劇にみる男女の描かれ方の比較」
近年、日本社会においてジェンダー平等に向けた制度的整備と意識変容が進展している。男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法の施行を背景に、女性の社会進出が進むとともに、性別による役割固定に対する見直しが進められてきた。こうした社会的変化を受け、メディアにおいても性別役割の固定化を問い直す表現が見られるようになってきた。一方で、娯楽性の高いお笑い番組において、男女を含めたジェンダー表象の変遷については十分に検討されていない。本研究では、60年以上継続している吉本新喜劇を分析対象とし、1990年代から2020年代にかけてのジェンダー表象の変遷を明らかにすることを目的とする。分析にあたっては、登場人物の性別構成、職業設定、服装表現、ジェンダー・ステレオタイプ的描写の4つの側面から、男女それぞれの描かれ方に着目して検討を行う。お笑い番組を通してジェンダー規範がどのように表象され、変化してきたのかを考察する。
「テレビドラマにおける身体障害者の表象:共生の視点からの分析」
本研究は、テレビドラマにおける障害者表象の変化を明らかにすることを目的とし、2011年の障害者基本法改正を一つの転換点として、改正以前および以後に制作された聴覚障害、視覚障害、肢体不自由をテーマとする作品を対象に調査を行った。調査手法として、ディスコース分析およびステレオタイプ分析を用い、障害者に向けられる言説や行動、ならびに社会的役割の描かれ方に着目した。先行研究では、社会における障害者観は「差別」から「同情」、さらに「共生」へと段階的に変化してきたと指摘されている。こうした障害者観がテレビドラマにどのように反映されているのかを検討し、時代的変化の中で障害者がどのように表象されてきたのかを考察する。
「教育に見るジェンダー多様性:教科書と課題図書の比較」
近年、世界的にジェンダーや多様性に対する関心が高まりを見せている。日本においても、男女雇用機会均等法や男女共同参画基本法の制定・施行など、ジェンダー平等の実現を目指した政策が進められてきた。しかしながら、2025年のジェンダーギャップ指数において、日本は148か国中118位と依然として低い順位にとどまっており、社会全体におけるジェンダー不平等の課題が指摘されている。このような状況を背景に、先行研究では学校教育における影響力の大きい教科書を対象とし、その中に表れるジェンダー表象について多くの分析が行われてきた。そこで本研究では、教科書におけるジェンダー表象に関する先行研究を踏まえた上で、課題図書に着目し、その中に見られるジェンダー表象の変化を明らかにすることを目的とする。さらに、分析結果を基に、課題図書特有のジェンダー表象にはどのような特徴があるのかについて考察を行う。
「2012年ロンドンオリンピックから2024年パリオリンピックにおける新聞報道のジェンダー表象分析:体操・柔道」
本研究は、日本の全国紙3紙におけるオリンピック報道を対象に、体操および柔道競技に関する新聞報道のジェンダー表象の特徴と変化を明らかにすることを目的とした。先行研究では、女性選手が競技成績以外の要素と結びつけて描写されやすいことが指摘されてきたが、複数大会を通じた新聞報道の検証や競技特性に着目した比較分析は十分ではなかった。そこで、2012年ロンドン大会から2024年パリ大会までの4大会を対象に、記事数、写真付き報道の割合、見出し・本文に用いられる形容詞表現を分析した。その結果、体操では男性選手の報道量が多い一方、柔道では男女差が相対的に小さいことが確認された。また、写真付き報道や形容詞表現の傾向には、競技や大会による違いがみられた。これらのことから新聞報道におけるジェンダー表象は一様ではなく、競技特性や大会文脈と結びついて構築されていることが考察された。
「現代におけるリクルートスーツの社会史:社会情勢とジェンダー視点に注目して」
本研究は、『リクルートスーツの社会史』(田中里尚,2019)を先行研究として位置づけ、2010年代後半以降、特に新型コロナウイルス感染拡大以降の就職活動におけるリクルートスーツ選択の変化を社会史的観点から考察するものである。とりわけ、女性就活経験者におけるリクルートスーツの選択や着用経験に着目し、スーツがジェンダー規範や時代の要請といかに関係してきたのかを明らかにする。先行研究の視点や問題提起を踏まえつつ、就職活動を終えた女子大学に在籍する学生グループと共学の短期大学卒の社会人グループ、それぞれへのグループインタビューを通して現代におけるリクルートスーツの意味や役割の変容を多角的に検討することを目的とする。

