皆さんは、⽇本の地下に興味がありますか? 普段⽬にしない景⾊だからこそ、私は地下に惹かれてしまいます。
私は10⽉に、埼⽟県春⽇部市にある、⾸都圏外郭放⽔路という地下施設を訪れました。この施設は、メディアなど で通称「地下神殿」と呼ばれています。
今回の記事では、沢⼭の写真とともに、⾸都圏外郭放⽔路をご紹介したいと思います!
(⾸都圏外郭放⽔路:http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html)
私が⾸都圏外郭放⽔路を知ったきっかけは、⾼校⽣の時に読んだ、『ニッポン地下観光ガイド』というガイド本で紹介されていたからです。この本では、⽇本全国の地下施設・地下空間などがアクセスマップ付きで紹介されています。この本で⾸都圏外郭放⽔路を知った私は、その神秘的な雰囲気に惹かれて、⾏ってみたいと思うようになりました。
そして2017年10⽉、埼⽟県に 旅⾏に⾏く機会があり、ようやく⾸都圏外郭放⽔路を訪れることができました。
『ニッポン地下観光ガイド』(著:⼩島健⼀・他 )
(http://www.aspect.jp/isbn/?k=978-4-7572- 1425-5)
まずは、施設⾒学の流れからご紹介します。⾸都圏外郭放⽔路を⾒学するには、事前予約が必要で、個⼈⾒学の場合は、1名から予約することができます。受付期間、申し込み⽅法については以下の通りです。その他、⾒学時間・スケジュールについては公式ウェブサイトをご覧ください。(⽇曜・祝⽇や施設休館⽇など、⾒学会を開催していない曜⽇もあるので、注意してください!)。
受付期間・申し込み⽅法
(個⼈⾒学のお申込み: http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/kengaku/tour.html)
さて、いよいよ施設のご紹介に⼊りたいと思います。⾸都圏外郭放⽔路が⾒学できるのは、「⿓Q館」という、埼⽟県春⽇部市にある地底探険ミュージアムです。⿓Q館へのアクセスは、東武野⽥線(東武アーバンパークライン)南桜井駅北⼝より、タクシーで約7分かかり、料⾦は1000円ぐらいでした。なぜタクシーで⾏ったかというと、徒歩では約40分かかってしまいますし、コミュニティバスは本数が少なかったからです。
⿓Q館に着いた私は、2階で⾒学受付をしました。そして、⾒学開始時間まで1階で待機しました。
⾒学受付場所
⾒学開始時間になると、⾒学者は1階に集められ、そこから担当職員の⽅が、⾸都圏外郭放⽔路についての解説を始めました。⾸都圏外郭放⽔路は、中川・綾瀬川流域の埼⽟県春⽇部市および周辺市町であふれそうになった中⼩河川の⽔を地下に取り込み、地下50メートルを貫く総延⻑6.3キロメートルのトンネルを通して江⼾川に流す、世界最⼤級の地下放⽔路だそうです。「地下神殿」と呼ばれている空間は、放⽔路全体の内の、調圧⽔槽(地下トンネルから流れてきた⽔の勢いを弱め、スムーズに流すための巨⼤プール)の部分だそうです。解説の後、徒歩5分ほどの距離にある、調圧⽔槽の⼊⼝へ向かいました。
⾸都圏外郭放⽔路の模式図
(http://www.ktr.mlit.go .jp/edogawa/gaikaku/intro/03tech/index.html)
調圧⽔槽の⼊⼝
上の写真の⼊⼝から中に⼊ると、100段ほどの階段がありました。この階段では、安全上の理由から、写真撮影が禁⽌されていたため、写真はありませんが、階段を下っていると、「地下神殿」と呼ばれる調圧⽔槽の全貌が⾒え始め、とてもわくわくしました。
そして階段を下りきると、巨⼤な地下神殿がそこにありました! 空気は地上と⽐べて冷やりとし ており、神殿のような雰囲気を助⻑していました。
地下神殿(調圧⽔槽)
⼊⼝とつながる階段
ここでも職員の⽅が、調圧⽔槽について解説してくださりました。この調圧⽔槽は、ひどい⼤⾬や台⾵の際に、⽴坑(各流⼊施設から⽔を取り込む空間)やトンネルから⽔が流れ込むそうで、今年は3〜4回出番があったようです。上の1枚⽬の写真の調圧⽔槽の奥には、排⽔機場(洪⽔の⽔を、調圧⽔槽から巨⼤ポンプを経て排⽔⽤のゲートに送る役割と、⽔流を安全制御する役割を持つ)があるようです。また上の1枚⽬の写真「地下神殿(調圧⽔槽)」を撮影した位置から真後ろに⽴坑が⾒えていました。
調圧⽔槽に洪⽔の⽔が流 れ込んだ際には、⼟砂も⼀緒に流れ込んでしまいます。流れ込んだ⼟砂は重機で⼤まかに処理し、⾒学エリアのみ、残りの⼟砂も⼈の⼿で掃除をするそうです。ちなみに、調圧⽔槽の天井には蓋があり、そこから⼟砂処理⽤の重機を出し⼊れするそうです。
⽴坑(後ろの空間)
調圧⽔槽の天井の蓋
解説の後、⾃由⾒学の時間が10分間ありました。⾒学エリアはロープで区切られており、これが意外と狭いです(笑)。10分間、悔いのないように、私は沢⼭写真を撮りました。それでは、その時の写真をご覧ください。
⾒学エリアを歩き回る⾒学者
もちひよと調圧⽔槽のサイズ⽐較
取り残されていた⼟砂
以上で、調圧⽔槽の⾒学は終了となり、私たちは調圧⽔槽を後にしました。⾒学の後は、⿓Q館に戻り、解散となりました。地上に戻ると、地下に巨⼤な空間があったことが夢のようでした。
そして、帰り際に⿓Q館の⽞関 で、⾯⽩い看板を⾒つけました。アニメ「クレヨンしんちゃん」のイラストが描かれた、春⽇部市の看板でした。さすが、「クレヨンしんちゃん」の舞台のモデルになった町ですね(笑)。ちなみに、看板に書かれている「⾚ちゃんの駅」は、外出中、おむつ替えや授乳が必要になったときに、気軽に⽴ち寄ることができる場所だそうです。
(「⾚ちゃんの駅」を利⽤してください:http://ww w.city.kasukabe.lg.jp/kosodate_kyoiku/kosodate/odekake/akachannoeki.html)
⾚ちゃんの駅
皆さん、⾸都圏外郭放⽔路のご紹介はいかがでしたか? この記事をご覧になって、「地下神殿」の神秘的な雰囲気と、私の感動を共有していただければ幸いです。今回の⾒学で、地下にある⾮⽇常の世界を垣間⾒ることができ、とても⾯⽩かったです。また、「地下神殿」含む⾸都圏外郭放⽔路が、洪⽔から⼈々を守っているのだと思うと、頼もしいですね! 皆さんも埼⽟県に⾏く際は、ぜひ⾸都圏外郭放⽔路の⾒学に⾏ってみて下さい!