授業紹介・ゼミ活動
PBL
福井ゼミ 2024年度卒業研究要旨
2024年度卒業研究要旨リンク集
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「男女差の違いから見る女性のための効果的な数学教育方法の検討」
文部科学省が提唱するSTEAM(理数系)教育が重要視される中、近年の理系大学へ進学する男女の割合から推測し、学生時代より女性は数学を遠ざける傾向にある。本研究では、男女差の違いから女性が数学を遠ざける原因を探り、楽しく学習できる環境の実現や論理性を鍛えるためのモチベーション向上に必要な要素を5つの文献調査および本学の学生を対象にアンケート調査などを通して明らかにし、女性のための効果的な数学教育方法を検討した。その結果、文献調査からは、女性が数学に興味を持つためには、小中学生の段階から介入すること、数学に対して「好き」「得意」という意識を持つ人を増やさないといけないということが分かった。学生に対するアンケート調査では、134人の回答者のうち114人が情報系学科に所属していたが、全体の7割が理系ではなく文系に当てはまると考えていた。小学校~高校校時代に好きだった教科は国語が28.4%、算数・数学が25.4%、理科が11.2%、社会が23.1%、英語が11.9%と予想外に算数・数学が2番目に人気な科目であった。意識調査の分析の結果、数学が「好き」、「得意」になったきっかけは、小学校段階での「おもしろい」「できる」という経験だと考える。しかし、中学校段階になると「できない」という経験が増えるので数学に対する苦手意識が生まれることが考察でき、文献調査の主張と一致した。それゆえ、この時期の数学教育が重要であることが示唆される。
「武庫女性のための情報管理ツール『Mukopad7』」
Mukopadとは、平成25年度卒業研究「武庫女生のための便利情報携帯アプリ『Mukopad』」で開発が始まり、6回に渡り改良されてきた。平成24年度には、MUSESから取得済みの単位数を自動計算する単位計算ツール「web上で使える単位計算ツール」が開発され、令和5年度では、『Mukopad6』にその単位計算ツールが導入された。本研究では、対象学生の範囲を広げ、MUSESに直接アクセスできるボタンの設置、単位計算ツールを全学科対象にするため、卒業単位数の登録と外国語科目の登録を行い、使い方に関するヘルプページを作成し、『Mukopad7』として改良する。完成したツールは、後期初めの履修登録で活用してもらい、アンケート調査によって有効性を評価する。学生44人に対するアンケート結果から、95.4%の人がMukopad7のデザインは見やすいと回答し、90.9%の人が単位計算ツールで正しい結果が表示された。しかし、総単位と外国語単位が正しく表示されなかった学科があるため、改善が必要であることがわかった。ヘルプぺーじについては、単位計算ツールを使う際に39.5%の人が解説動画を、48.8%の人が解説文を見ていたことがわかった。その中で70.4%の人が操作方法は理解できると回答している。この結果からヘルプページが機能していることがわかる。また、75%の人が「Mukopad7」を今後も利用したいと思うと回答している。アンケート結果から、使いやすく、有効性も十分にあることがうかがえる。
「数学アートによる中高生向け数学教材の検討」
数学は自然現象の記述や社会における課題解決に不可欠であり、現代社会において数量的な把握能力はますます重要となっている。しかし、数学に苦手意識を持つ生徒が多いのも事実である。そこで、数学の美しさや楽しさを視覚的に表現する「数学アート」に着目した。数学アートは、数学的な原理や法則を用いて図形や模様を創造するアートであり、政策を通して数学の奥深さや創造性を体感できると考える。本研究では、中学、高校で習った数学に関係する図形を組み合わせて観賞用のポスターアートを作り、数学に対する魅力や興味をもってもらえるような作品に仕上げ、そこに隠れる数学を紹介する導入教材を作成することを目的とする。具体的には、多角形と糸掛曼荼羅とフラクタルを素材とした図のような数学アート作品を作成した。作品は、左上から時計回りに「春」「夏」「秋」「冬」の順に季節を表している。我々は数学的な要素と自然の美しさの融合を試み、そして見る人が数学の面白さや美しさを感じてほしいという思いが込められている。これらは、それぞれ2次関数・三角関数、素数・相似図形という数学に関係しており、それらの基礎知識についても論文にまとめ、数学教材として検討をおこなった。
「数学的3D アートのバーチャル空間展示の試み」
STEAM(理数系)教育が重要視される中、数学に興味をもってもらう素材として、令和5 年度の卒業研究「3DCG による数学アート」では曼荼羅アートと鞠アートを組み合わせた3D アートポスターの制作が行われた。しかし、ポスターというメディアによる表現では鞠などの立体的造形物を3D としての魅力を引き出すのは難しく感じる。しかも、鞠は線が細く模様が簡易的であった。本研究の目的は、数学への苦手意識を持つ生徒たちに理数系への興味を持ってもらうことである。その手段として、3D 数学アートをバーチャル空間に展示して数学解説を行う試みに取り組んだ。これにより、作品を観察してもらうと同時に、それに関係する数学的仕組みを紹介することによって数学に興味を持ってもらえることを期待する。実際に6人の学生に3D 数学アートの展示空間に入ってもらい、調査した結果、より数学を楽しく、身近に感じてもらうことができたのではないかと考えられる。