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株本ゼミ 2024年度卒業研究要旨

2025/03/18

2024年度卒業研究要旨リンク集

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「日本のオルタナティブロックの時代による変化」

本研究の目的は、90年代以降の日本におけるオルタナティブロックに対する認識がどのように変化してきたのかを明らかにすることにある。オルタナティブロックは80年代のアメリカで「反商業的音楽」として誕生した。しかし、日本に輸入された際には異なる意味で捉えられ、意味は時代とともに変化してきた。そこで、本研究ではその変化についての調査を行った。結果、日本では当初、オルタナティブロックはニルヴァーナの音楽性や精神性をテンプレートとして、本来の意味とは異なる文脈で認識されていた。その後、くるりなどの躍進によって、音楽性や流通形態に縛られず、その精神性を持ち続けるバンドを含む概念として認知されることになった。

 

「日本におけるフードバンクの普及と発展に向けた提案―デジタル技術、法制度、人材の観点から―」

本研究の目的は、日本におけるフードバンク活動が抱える課題を明らかにし、その普及と発展に向けた具体的な提案を行うことである。近年、食品ロス削減と貧困支援の社会的活動として世界的にフードバンクが注目を集めている。しかし、日本では活動の規模が限定的であり、運営資源の不足や社会的認知度の低さといった課題が存在する。本研究では、諸外国のフードバンク活動の事例と日本のフードバンクの実態の比較を行なった。分析の結果、デジタルトランスフォーメーションの導入による業務の効率化、法制度の見直し、専門家や人材の確保が必要であることが明らかになった。これらが実現されることで、日本におけるフードバンク活動は普及・発展し、一層効果的かつ持続可能なものになることが期待される。

 

「コンテンツツーリズムにより生み出される地域活性化の課題分析」

本研究の目的は、コンテンツツーリズムによる地域活性化の課題を明らかにし、その解決策を提示することにある。近年、アニメや漫画、映画等コンテンツの舞台となった土地を訪れる観光形態が増加している一方、観光形態の一過性が課題となっている。本研究では、アニメ『Free!』の舞台である鳥取県岩美町の事例の分析、および他地域の事例との比較を行なった。その結果、成功例では地域住民との協力や地域独自の魅力を活かした取り組みが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。そこから観光の持続性を確保するには、リピーター育成や多面的な地域価値の発信が必要不可欠であると結論した。

 

「ディズニープリンセス作品と女性の文末表現の変化」

本研究の目的は、複数のディズニープリンセス作品のアニメーション作品と実写映画作品の言語的ジェンダ一観の関係を明らかにすることである。これまでディズニープリンセスに関する先行研究には様々なものがあるが、言語表現とディズニープリンセスとの関連を扱ったものはあまりありない。プリンセスの語尾表現に焦点を当て、アニメーション作品と実写映画作品が制作された期間が類似する作品でのプリンセスのジェンダー化された特徴を分析し、言語的ジェンダー観の関係を明らかにする。そして、1つの作品で絵本での語尾表現の比較も行う。

 

「黒崎商店街活性化事業によるまちづくり-黒崎まちゼミに焦点を当てて-」

本研究の目的は黒崎商店街における地域活性化事業の有用性を実証することにある。福岡県にある黒崎地域にて開催されている黒崎まちゼミに焦点を当て、黒崎まちゼミ内で行われたアンケート、黒崎まちゼミ実行委員会、まちゼミ創始者松井洋一郎へのインタビューをもとにまちゼミがどのような効果を与えているのかを分析をした。その結果、まちゼミは商店に焦点をてている事業であり、商店側からの意見として有用的な効果が得られていることが明らかとなった。そして、地域活性化事業には地域に焦点を当てたものと商店に焦点を当てたものの二通りがあり、片方だけではなく、両方を行うことによって地域の活性が促されていくという結論が得られた。

 

「VTuberがもたらすポジティブな社会的影響-デジタルメディアが生み出す新しい価値観と繋がり-」

皆さんはYouTubeだけでなく、様々なSNSにてVTuberという言葉を目にすることはあるだろうか。本研究の目的はVTuberの特徴を捉えつつ、YouTuberとの違いを調査した上で、それぞれポジティブな社会的影響を与えるのかを明らかにすることである。初めに書籍や論文を用いて、VTuberという単語の意味を明確にし、先行研究に基づきVTuberのタイプを調査を行った。 結果として、動画配信以外にもSNSなどを通じてコミュニケーションが取りやすく、接しやすいことから視聴者が持つ価値観や自己表現に変化をもたらしているという結果が得られた。 したがって、VTuberは現代社会における新しい社会的繋がりの形を示すものであり、従来のメディアにはなかった独自の価値を持つ存在である。

 

「オリーブ少女に着目したファッション発信者の役割」

本研究の目的は、雑誌『Olive』がファッションの流行に与えた影響について、スカート丈 の長さの変化に着目して明らかにすることにある。 1960~2010年におけるスカート丈の流行に、雑誌『Olive』を含む10~20代女性向けの ファッション雑誌がどのような影響を及ぼしたのか、さらに各年代のファッションリーダーが果たした役割を分析した。 その結果、『Olive』のファッション雑誌としての影響力は大きかったが、他のファッション雑誌と比較するとスカート丈の長さの変化に大きな影響を及ぼしていなかった。SNSの普及によって『Olive』は廃刊されたが、『Olive』の「憧れを見つけてそれを真似していく」という文化が今のSNS時代にも受け継がれ、現在の「インフルエンサーがトレンド発信をしていく」という流行サイクルの流れを形成していた。

 

「スイーツにみる女性の自分ご美消費の動向」

本研究の目的は、自分ご美消費第IV期(2007~2009年)以降における女性のスイーツ消費の動向を明らかにすることにある。調査では第I期以降、特に、コロナ禍前後の期間を対象に、女性の自分ご美費のスイーツに関する新聞記事及び文献を分析した。その結果、コロナ禍以降、専門店へ足を運ぶ契機となっているインスタグラムなどのSNSの影響が大きいこと、コンビニやスーパーのスイーツが働く人のリフレッシュ用に消費されるようになり、ご美スイーツを味わうために、より専門店が使用されるようになったこと、現在の女性も、自分で美として「本格的」、「高級感」などのご美を求めていることが考えられた。

 

「動物愛護の観点からみた日本のブリーダーの課題」

本研究の目的は、動物愛護の観点からみた日本のブリーダーの課題を明らかにすることにある。ブリーダーの現状を知るため、地方自治体への聞き取りや、動物愛護法の歴史、血統書登録数の趨勢、第一種動物取扱業の実態を調査した。日本では主に血統書を発行している団体が二つ存在し、動物愛護法が細かく改正されていることや政府による立ち入り検査があること、コロナ禍でのブリーダー業に大きな変化はないことを得た。発行団体の違いや動物愛護法の罰則の甘さが引き金となり、「悪徳ブリーダー」「自称ブリーダー」という言葉が生み出され、そのような人間によって「犬」が犠牲となっている現状を明らかにした。

 

「雑誌『POPEYE』から見る若者のジェンダー観の変遷 」

本研究の目的は、雑誌『POPEYE』の特集を分析することで、若者の価値観とジェンダー観の変遷を明らかにすることである。 『POPEYE』は1976年の創刊以来、若者文化を牽引してきたライフスタイル誌である。「Magazine for city boys」をコンセプトとし、「シティボーイ」の定義や女性観は時代を反映すると同時に形成してきた。 創刊当初、女性を男性のライフスタイルを引き立てる存在として扱う特集が見られたが、女性の社会進出が進むことで、男女が対等な「個」としての存在であることを尊重した特集や、自身の生活の充実をより重要視するような特集が見られるようになった。 こうしたことは、読者である若者のジェンダー観や価値観の変化に対応した特集を組んでいたことを意味している。

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