授業紹介・ゼミ活動

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奥居ゼミ

奥居ゼミ 2025年度卒業研究要旨

2026/03/17

2025年度卒業研究要旨リンク集

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「マーケティング戦略からみたK-POP とJ-POP の違い~ファンダム形成とブランディング手法の違いを中心に~」

 本研究は、マーケティング戦略の観点から、K-POP とJ-POP におけるファンダム形成およびブランド形成の違いを明らかにしたものである。半構造化インタビューの結果、J-POP ファンはテレビ番組や日常的な接触を通じてアーティストを認知し、応援を個人的な楽しみとして行う傾向が強いことが確認された一方、K-POP ファンはSNS や動画配信サービスを通じて能動的にアーティストを探索し、再生回数や投票など、成果が可視化される行動を重視して応援を行っていることが明らかとなった。これらの違いから、J-POP は共感や親密性を基盤としたブランドとして形成されやすいのに対し、K-POP は憧れや成果の可視化を軸としたブランドとして形成されていることが示された。いずれもファンの行動がアーティストのブランド形成に主体的に関与していることが明らかとなった。

 

「なぜ企業は炎上を制御できないのか~過去の不祥事と初動対応の失敗事例から~」

 SNS の普及により情報の統制が不可能となった現代、企業は常に炎上のリスクに晒されている。特に飲食業界では、些細な火種が不適切な初動対応によって致命的なブランド毀損に繋がる事例が後を絶たない。本研究では、こうした失敗が繰り返される要因を「歴史的経路依存性」の観点から、複数の事例比較を通じて分析を行い、過去の成功体験や組織内に定着した慣習が現在の意思決定を制約し、外部環境が大きく変化しているにもかかわらず、従来と同様の対応を選択してしまうメカニズムが明らかにした。また、炎上の収束と信頼回復に成功した事例との対比から、企業が適切な危機対応へと転換し、組織構造そのものを変革するための手がかりを探り、組織が既存の意思決定経路を乗り越え、現代に適応するための変革の方向性を提示した。

 

「推し活の『支出型』と『非支出型』スタイルによる充実感と幸福度の違いに関する研究―現場派と茶の間派の比較から見る心理的満足感の多様性 ―」

 近年、年齢や性別を問わず浸透する「推し活」は、時代やSNS の発達に伴い、お金の使い方に関する「推し活」スタイルは多様化している。金銭的に多くの支出を伴う「推し活」が必ずしも幸福感に結び付くとは限らないのではないかという疑問から、本論文ではインタビュー調査を通じて「支出型」と「非支出型」というスタイルの違いに着目し、金銭的支出の有無が充実感および幸福度に与える影響を明らかにする。さらに、推しの名前を検索する「パブリックサーチ」の有無が、炎上や誹謗中傷が絶えないSNS において幸福度にどのような差異が生じるのか考察する。

 

「デジタルカメラが商品として残り続ける理由―企業戦略から見るカメラとスマートフォンの意味的価値の比較―」

 近年、スマートフォンのカメラ機能は高度化し、日常的な写真撮影の多くがスマホで代替可能となっている。しかしその一方で、あえてデジタルカメラを選択する消費者も存在する。このような背景をふまえ、本研究では、消費者があえてデジタルカメラを選択する背景において、撮影体験や自己表現、撮影の楽しさといった心理的価値、すなわち「意味的価値」がどのように影響するかを明らかにすることを目的とする。デジタルカメラ利用者を対象とした半構造化インタビュー調査を通じて、カメラそのものの価値認識や選択行動における意味的価値の役割を分析する。

 

「化粧品業界におけるD2C マーケティングの可能性と課題 ―国内の中小規模ブランドを中心に―」

 近年、SNS やEC の普及により、消費者の購買行動は大きく変化しており、化粧品業界でも従来の対面販売中心の流通構造に変化が生じている。このような環境下で、ブランドが中間業者を介さず消費者と直接関係を構築するD2C(Direct to Consumer)モデルが注目されている。特に中小規模の化粧品ブランドにとって、D2C は資源制約の中でもブランド価値を直接訴求できる手法として期待されている。一方で、すべてのD2C ブランドが持続的成長を遂げているわけではなく、成長の停滞やブランド価値の希薄化といった課題も指摘されている。本研究は、国内の中小D2C 化粧品ブランドを対象に、D2C マーケティングの可能性と課題を明らかにする。

 

「エコ意識の高まりと化粧品パッケージの関係性と課題について~エコ意識と化粧品パッケージの戦略的融合:消費者ニーズに基づく提案~」

 本研究は、スキンケア商品の外パッケージを対象に、環境配慮とブランド表現の調和が消費者の購買意欲に与える影響を明らかにすることを目的とする。パッケージ素材、デザイン、配色、情報表示に着目し、先進事例の分析およびインタビュー調査によって、環境配慮は消費者に好意的に受け取られるだけでなく、ブランドの世界観や商品カテゴリーに適合した素材選定や色彩設計、情報提示を行うことで、ブランドイメージを損なうことなく購買意欲の向上につながることが示唆された。本研究は、環境負荷の低減とブランド価値の両立を可能にするパッケージデザインの方向性を提示する。

 

「ファッション業界の成長戦略 ~日本の三大ブランドを中心に~」

 日本のファッション産業は流行の変化が激しく、国際市場における競争も一層厳しさを増している。本研究は、パリコレクションを中心に世界的評価を確立してきたコムデギャルソン、ヨウジヤマモト、イッセイミヤケの三大ブランドが、どのような成長戦略を採用し独自性を維持してきたのかを明らかにすることを目的とする。アンゾフの成長マトリクスを用い、市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化戦略の観点から各ブランドの展開を比較分析することで、独自の美学や哲学が戦略的意思決定にどのように組み込まれているかを検討する。また、パリコレという国際的競争環境におけるブランドの位置づけや文化的影響力に着目し、創造性と企業戦略の両立がどのように持続的成長を支えてきたのかを明らかにする。これらの分析を通じて、日本ブランドが国際市場で競争力を維持するための要因を整理し、今後のブランド展開に役立つ視点を示す。

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