授業紹介・ゼミ活動
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大森ゼミ 2024年度卒業研究要旨
2024年度卒業研究要旨リンク集
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「テレビドラマにみる性的マイノリティの描かれ方―社会の変容とカミングアウト―」
近年、日本でパートナーシップ制度など性的マイノリティへの社会的政策が行われているとともに、ドラマにおいて性的マイノリティが登場することが増えている。本論では、性的マイノリティの言説において中心的な議題となるカミングアウトに着目し、NHK9作品を対象にディスコース分析を行い、登場人物の性自認、性指向、カミングアウトがどのように描写されているのか、また数年間で描かれ方に変化があるのかを考察する。
「ヘルシーDOの認知度向上に向けた取り組みにおける研究」
本研究は、地方自治体が認可する機能性表示制度「ヘルシーDO」に焦点を当て、健康食品の購買促進の可能性を探ることを目的とした。関西地域を対象に健康意識の高い人々が食品選択時に重視する要因を明らかにするため、阪神沿線住民を対象にした阪神健康メッセでアンケート調査(N=265)を実施した。統計的な分析としてT検定を行った結果、認定を受けた食品においては値段を重視する回答者が多く、認定を受けていない食品では値段に加えて産地も重視されていることが明らかとなった。
「小説におけるいじめや虐待のかかれ方―アーヴィン・ゴフマンの社会学を通して―」
近年、いじめや虐待は年々増加し、様々なメディアに取り上げられるようになった。その中でも本稿では小説におけるいじめや虐待の描かれ方について取り上げた。社会学のみならず心理学や教育学等多岐に渡り影響を与えている、カナダ出身の社会学者であるアーヴィング・ゴフマンの「状況の定義」「スティグマ」の理論を基に、小説においていじめや虐待がどうかかれ、登場人物たちがどう更生していくのかについて分析し研究する。
「テレビドラマにおける女性像とジェンダー意識の変容―NHK朝の連続テレビ小説における妊娠・出産・育児シーンに着目して―」
テレビは身近なメディアであり、特にテレビドラマは時代を反映する。女性の社会進出が進み、結婚や出産を経ても働き続ける女性が増えていることから、テレビドラマにおける描写にも変化がみられる。本論文では、1960年代から同じ枠組みで継続的に社会状況を映しているNHK朝の連続テレビ小説を分析対象とし、特に女性が最もキャリアを諦めるきっかけとなる妊娠・出産・育児シーンに着目して、2010年代以降の朝ドラが女性像とジェンダー意識の変容をどのように反映しているのかを考察する。
「小学校教科書のジェンダー表象―国語教科書・英語教科書のジェンダー分析―」
近年、ジェンダー平等が世界的に推進されているが、日本のジェンダーギャップ指数は先進7カ国のうち最下位であり、その進捗が遅れていると言える。また、ジェンダーは教育分野とも関連が深く、「隠れたカリキュラム」が児童・生徒に与える影響について先行研究で指摘されている。よって本研究では、2020年度から正式に教科化された小学校5.6年の英語教育に着目し、英語教科書と国語教科書の比較分析を行い、2教科間のジェンダー表象の差について考察する。
「絵本における災害・防災の描かれ方―小学校の防災教育に活用可能な教材の整理と分類―」
近年、自然災害の増加により学校における防災教育の充実を図る取り組みが行われている。学校防災について教科書及び指導案を用いた比較分析等の蓄積が豊富である一方で、他の教育教材に関する先行研究はみられなかった。本論では小学校の教科書内で既に採用されている絵本に着目し、防災・災害をテーマとした計69作品を文部科学省が紹介した防災教育における学習すべき事項を参考に内容分析を行う事で小学校の防災教育で用いる教材としての有用性を検討する事を目的とする。
「健康意識の向上と生活習慣の改善が健康食品利用者に与える影響」
日本では高齢化が進む中、特に中年以降の生活習慣病が大きな課題となっている。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大は、健康への意識をこれまで向けていなかった層にも影響を与え、社会全体で健康意識の高まりを加速させた。こうした背景のもと、コロナ禍で中断されていた「阪神健康メッセ」が再び実施され、阪神沿線の健康意識の高い多くの来場者が参加した。本研究では、このイベント来場者を対象に健康意識に関するアンケートを実施し、健康食品利用者の特徴を明らかにすることを目的とする。具体的にはロジスティク回帰分析を用いて、基本属性や生活習慣が健康食品利用者の特徴にどのように関与しているかについて検討していく。
「ドラゴンボールにおけるジェンダー表現の変容」
現在男女平等達成に向け様々な活動が世界規模で展開されており、日本でも数々の法律が制定されている。しかしジェンダー意識形成に強い影響を与えるメディアにおいては未だジェンダー・ステレオタイプが描かれている。また女性アニメを対象にした先行研究には豊富な蓄積があるが男性アニメの先行研究は少なく豊富な蓄積がなかった。そこで本研究では約20年の時を経て2度アニメ化された「ドラゴンボール」を分析対象とし登場人物のセリフ・行動という視点から原作、新旧アニメを比較することでジェンダー表現に変容はあるのかを考察する。
「テレビドラマにおける職業像とジェンダー―IT従事者の表象について―」
近年、IT業界のジェンダーギャップや職業に対する固定的なイメージが問題視される一方、メディアにおける職業描写が視聴者の職業観に大きな影響を与えることが指摘されている。しかし、テレビドラマにおけるIT従事者の職業像を具体的に検証した研究は限定的である。そこで本研究では、計11作品のTBSのドラマに登場するIT従事者を対象に、その職業像やジェンダーバランスの偏りを明らかにし、メディアが描く職業観の影響について考察する。
「性加害報道による旧ジャニーズタレントのメディアでの起用変化に関する研究」
故ジャニー喜多川氏による長年の性加害問題は、日本のメディアにおいて隠蔽され続けてきたが、2023年のBBCによる報道を契機にその実態が表面化した。メディアに対する政治的圧力や構造的影響に関する研究は数多く存在する一方、芸能界の不祥事に対してメディア間での対応の違いに関する比較研究は十分になされていない。本研究では、テレビメディアと雑誌メディアという異なる形態に焦点を当てて、研究を行う。これらのメディアが、旧ジャニーズ事務所の性加害報道を受けて、同事務所所属タレントの起用に対してどのように対応したのかを、女性誌「anan」における起用実態の推移とテレビCM契約状況の変化から分析する。